「AIを使った方がいいのはわかってる。でも、何から始めればいいかわからない」
経営者の方と話していると、10人中8人がこう言います。
結論から言うと、まずやるべきことは1つだけです。ChatGPTに、明日やる予定の「面倒な作業」を1つだけ頼んでみてください。メールでも、見積書でも、日報でも。それだけで「AIって本当に使えるんだ」と腹落ちします。
この記事では、パソコンが得意じゃない方でも今日から始められるように、アカウントの作り方から、コピペで使えるプロンプト(AIへの指示文)まで、全部書きます。
僕自身、2年前までは毎日の業務に追われてパンク状態でした。セミナーの企画、集客、顧客対応、資料作成、経理、Webサイトの管理。全部自分。AIを使い始めてから、2時間かかっていた作業が5分で終わるものも出てきた。最初の一歩は、この記事に書いてあることと同じことでした。
この記事の結論(忙しい方はここだけでOK)
従業員10人以下の会社がAI導入でまずやるべきことは3つです。
- ChatGPTのアカウントを作る(無料・3分で完了)
- 「面倒な作業」を1つだけAIにやらせてみる(メール・見積書・議事録)
- 出てきた結果を自分で手直しする(7割の精度を10割に仕上げる)
高いシステムも、IT人材も、まだ要りません。まずは無料で試す。それがAI導入の正しい第一歩です。
ステップ1:ChatGPTのアカウントを作る(無料・3分)
まず、ChatGPTを使える状態にします。無料です。
手順
- スマホまたはパソコンで chatgpt.com にアクセスする
- 「Sign up(サインアップ)」をタップする
- Googleアカウントで登録するのが一番簡単です。「Continue with Google」を選んで、普段使っているGmailアカウントを選択するだけ
- 名前と生年月日を入力して「Agree(同意する)」を押す
これで完了です。3分もかかりません。
無料版で何ができるか
「無料だと使い物にならないんじゃ?」と思うかもしれませんが、十分使えます。
| できること | 具体例 |
|---|---|
| 文章を作る | メール、企画書、お知らせ文、求人文 |
| 文章を要約する | 長い契約書やメールを3行にまとめる |
| 翻訳する | 英語のメールを日本語にする |
| アイデアを出す | 「売上を上げる方法を10個出して」 |
| ファイルを読む | PDFやExcelをアップロードして分析 |
無料版には1日の利用回数に制限がありますが、「1日に数回、業務で使う」程度なら問題ありません。まずは無料で試して、本当に役立つと感じてから有料プラン(月額約3,000円)を検討すれば大丈夫です。
ステップ2:「面倒な作業」を1つだけAIにやらせてみる
アカウントができたら、次にやることはシンプルです。
明日やる予定の仕事の中で、一番面倒だと思っている作業を1つ選んでください。
「どれがいいかわからない」という方のために、経営者がまず試すべき業務を3つ紹介します。全部コピペで使えるプロンプトつきです。
おすすめ①:メールの文面を作る
一番手軽で、効果を実感しやすい業務です。僕も最初に試したのがメールでした。1通30分ぐらいかけて書いていたお詫びメールが、10秒で出てきた。しかも、自分が書くよりちゃんとしてる。あの時の衝撃は今でも覚えています。
以下のプロンプトをそのままコピーして、ChatGPTに貼り付けてください。【 】の中だけ自分の状況に書き換えればOKです。
あなたはビジネスメールの専門家です。以下の条件でメール文面を作成してください。
【目的】納期遅延のお詫びと新しい納品日の連絡
【送り先】取引先の担当者(山田様)
【状況】当初の納品予定日は4月20日だったが、部品の入荷遅れにより4月28日に変更
【トーン】丁寧・誠実。言い訳がましくならないように
【文字数】300文字程度
件名も含めて作成してください。
これだけで、すぐに送れるレベルのメールが出てきます。
おすすめ②:見積書のたたき台を作る
見積書の金額計算や体裁を整えるのにも使えます。
あなたは経理業務のアシスタントです。以下の情報をもとに、見積書のたたき台をテキストで作成してください。
【発行元】株式会社〇〇(住所:〇〇)
【宛先】株式会社△△ 御中
【案件名】ホームページリニューアル制作
【内訳】
- デザイン制作費:150,000円
- コーディング費:100,000円
- サーバー設定費:30,000円
【消費税】10%を加算
【有効期限】発行日から30日間
【備考】お支払いは納品後30日以内
表形式で見やすく整理してください。合計金額も計算してください。
出てきたテキストをExcelや見積書フォーマットにコピーすれば、見積書の8割が完成します。
おすすめ③:議事録や日報をまとめる
打ち合わせ後にメモをChatGPTに渡すだけで、きちんとした議事録にしてくれます。
あなたは優秀な事務アシスタントです。以下のメモから、上司に提出できる議事録を作成してください。
【会議名】月次営業会議
【日時】2026年4月17日 10:00〜11:00
【参加者】田中部長、佐藤、鈴木、自分
【メモ(箇条書きでOK)】
- 先月の売上は目標の92%。あと少しだった
- 新規顧客3件獲得。紹介経由が2件
- 来月はキャンペーンやる。割引率は田中部長が来週決める
- 鈴木さんがA社への提案書を来週金曜までに作る
- 次回会議は5月15日
【出力形式】
1. 会議の概要(3行以内)
2. 報告事項(箇条書き)
3. 決定事項(箇条書き)
4. 次回アクション(担当者・期限つき)
箇条書きのメモが、そのまま提出できる議事録に変わります。
ステップ3:出てきた結果を手直しする(ここが一番大事)
AIが出してくれた文章は、だいたい7割の精度です。そのまま使えることもありますが、多くの場合「方向性は合ってるけど、ちょっと違う」という状態で出てきます。
この7割を10割に仕上げるのが人間の仕事です。ゼロから全部自分で作るのと、7割のたたき台を仕上げるのでは、かかる時間がまるで違います。
手直しのやり方
出てきた文章が微妙だったら、追加で指示を出してください。
よく使う追加指示の例:
- 「もっとカジュアルな文体にしてください」
- 「3行目の表現が硬いので、もう少し柔らかくしてください」
- 「箇条書きではなく、文章形式でお願いします」
- 「相手は60代の社長なので、敬意が伝わるトーンにしてください」
ポイントは、1回で完璧を求めないことです。2〜3回やりとりすれば、ほぼ使えるものが出てきます。
僕も最初は「AIに何を頼んでも微妙なものしか出てこない」と思っていました。でも、それは指示の出し方の問題だった。うちの会社のことも、お客さんのことも、何も伝えていないのに「いい感じにやっといて」と頼んでいたんです。入社初日の新人に何も教えずに「仕事しろ」と言っているのと同じだった。具体的に伝えるようにしたら、出てくるものが変わりました。
うまくいかないときの対処法
「なんか微妙な答えしか返ってこない」場合
原因の9割は、指示が曖昧すぎることです。
以下の5つを入れるだけで、精度が激変します。
- 役割を与える:「あなたは〇〇の専門家です」と最初に書く
- 目的を伝える:何のために、誰に向けて書くのか
- 具体的な条件を入れる:文字数、トーン、対象者
- 出力形式を指定する:「箇条書きで」「表形式で」「3つに絞って」
- ダメなら追加指示:「もっとこうして」と対話で調整する
「間違った情報が出てきた」場合
ChatGPTは、もっともらしいウソをつくことがあります。これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。
特に以下の場合は注意してください。
- 法律・税務に関する内容 → 必ず専門家に確認
- 数字・統計データ → 出典を確認
- 最新のニュース → 情報が古い場合がある
文章の作成(メール、企画書、日報など)ではほとんど問題になりません。事実確認が必要な内容だけ、自分でチェックする。これだけ押さえておけば大丈夫です。
「会社の機密情報を入れても大丈夫?」
顧客の個人情報、契約金額、パスワードなど、外に出たらまずい情報はChatGPTに入力しないでください。
ただし、無料版でも設定画面から「学習に使わない」設定ができます。業務で本格的に使うなら、有料プラン(月額約3,000円)にすれば、入力したデータがAIの学習に使われない設定がデフォルトになります。
こういう会社には向いている / 向いていない
向いている会社
- 社長が事務作業もこなしていて、時間が足りない
- メール、見積書、日報など「文章を書く業務」が多い
- 人を雇いたいけど、採用コストや教育時間を考えると難しい
- 月額3,000円程度の投資ならすぐ判断できる
向いていない会社(今はまだ早い)
- 業務がほぼ対面・現場作業で、文章作成がほとんどない
- すでに業務が十分に回っていて、効率化の必要がない
ただ正直に言うと、従業員10人以下の会社で「効率化の必要がない」というケースはほぼ見たことがありません。
まとめ:今日やることは1つだけ
AI導入というと大げさに聞こえますが、最初の一歩はシンプルです。
- chatgpt.com でアカウントを作る(無料・3分)
- 明日の「面倒な作業」を1つ選ぶ
- この記事のプロンプトをコピペして、試してみる
これだけです。
中小企業のAI導入率は、今まだ5〜10%程度。ほとんどの会社がまだ始めていません。逆に言えば、今始めるだけで同業他社より1歩先に出られるということです。
僕がAIを使い始めた時も、まさにこの記事に書いてあることと同じことからスタートしました。最初はメール1通を試しに作らせてみただけ。それが今では、セミナーの企画から顧客対応、コンテンツ制作まで、AIなしでは考えられない状態になっています。
まずは1回、試してみてください。「これ、使えるかも」と思えたら、それがAI導入の第一歩です。

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