社員マニュアルをAIで作るなら、ChatGPT単体ではなく、動画から自動生成できるMANUSと組み合わせるのが最短です。
「マニュアル作らなきゃと思いながら、半年たってる」。中小企業の経営者と話すと、ほぼ全員がこの悩みを抱えています。新人が入るたびに同じ説明を繰り返す。ベテランしか知らないノウハウを若手に教える時間がない。属人化はわかっているけど、目の前の仕事で手一杯。
僕も同じでした。クライアント支援用の操作マニュアルや、自社の業務手順書を作ろうとして、何度も「来週やる」を繰り返してきました。マニュアル1本を作るのに2〜3時間かかる。その2時間が捻出できない。
でも、AIを使うようになって状況が変わりました。最初はChatGPTで作ろうとしたけど、これが思ったより使えない。文章は書けるけど、操作画面のスクショとか手順の細部が再現できない。結局、自分で全部キャプチャして貼り付ける作業が残る。
そこで動画ベースのAIツール「MANUS」を組み合わせたら、流れが完全に変わりました。今は1本30分で社員マニュアルが完成します。
この記事では、ChatGPT単体ではうまくいかない理由と、MANUSやNotebookLMを組み合わせた3ステップの作り方を、実例付きで解説します。
結論|ChatGPT単体では限界。動画AIと組み合わせて30分が現実
最初に結論から書きます。
社員マニュアルをAIで作る最短ルートは、3つのツールを組み合わせる方法です。
- ChatGPT — マニュアルの構成案と本文の下書き(10分)
- MANUS — 操作動画を渡してスクショ付き手順書を自動生成(10分)
- NotebookLM — 完成マニュアルを読み込ませて社員教育のQ&A対応に転用(10分)
ChatGPT 1本で済ませようとすると、この記事の競合の多くが書いている「プロンプトを工夫すれば全部できる」という話になります。実際にやってみると、文章はできても操作画面のスクショ作成・配置で結局1〜2時間かかる。これがChatGPT単体の限界です。
その作業をMANUSに任せられるとわかってから、僕の中で「マニュアル作成」という作業の重さが変わりました。
中小企業のマニュアル問題が深刻な3つの理由
そもそも、なぜ中小企業のマニュアル作成はずっと進まないのか。理由は3つあります。
理由1:作る時間が取れない
マニュアル作成は、現場の業務を回しながら、空いた時間で進めるしかありません。でも経営者や現場リーダーには、その「空いた時間」がない。気づいたら半年経っている。
理由2:作っても更新されない
頑張って1冊作っても、業務フローが変わるたびに更新が必要です。これがまた重たい。結果、古いマニュアルが棚に眠るだけになる。
理由3:属人化していることに気づきにくい
「あの作業はAさんしかわからない」という状態は、Aさんが辞めるまで気づかない。気づいたときには手遅れで、退職前の引き継ぎマニュアル作成に追われることになります。
僕がクライアント支援で見てきた中で、マニュアル整備が遅れている会社の共通点はこの3つです。「やりたい気持ちはあるけど、現実的にできない」のループに陥っている。
このループを抜けるには、「マニュアル作成にかかる時間」を10分の1にするしかありません。そして、それは今のAIなら実現できます。
ステップ1:ChatGPTで構成案と本文ドラフトを作る
まず最初に、ChatGPTでマニュアルの骨組みを作ります。
構成案を出すプロンプト
ChatGPTに以下を投げます。
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あなたは社内マニュアル作成の専門家です。
以下の業務についての社員マニュアルの構成案を作成してください。
【業務名】
(例:請求書発行業務)
【対象読者】
新入社員〜入社1年目(業務未経験)
【含めるべき項目】
- 業務の目的・全体像
- 必要な事前準備
- 具体的な手順(ステップ形式)
- よくあるミス・注意点
- トラブル時の対処法
各章のタイトルと、その章で扱うべき内容を箇条書きで出してください。
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これでマニュアルの章立てが10秒で出てきます。
本文ドラフトを書かせる
構成案ができたら、各章の本文を順に書かせます。
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先ほどの構成案の【章タイトル】について、本文を書いてください。
【条件】
- 業務未経験者が読んで理解できる平易な言葉
- 専門用語は必ず横にカッコで補足
- ステップは番号付きリストで
- 「これは何のためにやるのか」という目的を最初に書く
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僕はこれで、1本のマニュアルの文章部分(5〜10ページ分)が10〜15分で書けるようになりました。
ただし、この時点ではテキストだけです。画面操作の手順や、実際の画面スクショは入っていません。これがChatGPT単体の最大の弱点です。
ステップ2:MANUSで動画→スクショ付きマニュアルを自動生成
ここからが本題です。操作画面のスクショや、ボタンの位置を示す矢印など、視覚的な要素はChatGPTでは作れません。これをMANUSに任せます。
MANUSとは
MANUS(マヌス)は中国発のAIエージェント(指示を与えると自分で考えて作業を進めるAI)です。2025年に話題になった自律型AIで、複雑なタスクを段階的にこなせるのが特徴。
僕がいちばん使っているのは「動画を渡すと、その動画から該当箇所のスクショを自動で抜き出して、マニュアルに配置してくれる」機能です。
実際の使い方
たとえば「Gmailで返信テンプレを作る手順」のマニュアルを作りたいとします。
- 自分のPC画面を録画しながら、実際にGmailを開いて操作する(5分)
- その録画動画をMANUSに渡す
- 「この操作手順をマニュアル化して。各ステップのスクショを動画から抜き出して挿入して」と指示
- 5〜10分待つと、スクショ付きの手順書が完成
僕がこれを初めて使ったとき、正直「マニュアル作成って、こんな簡単になるんや」と驚きました。それまで、画面録画はできても、そこから「ここの画面を切り取って、矢印つけて、説明文を書く」という作業を1コマずつやっていたんです。MANUSはそれを全部やってくれる。
MANUSと既存のマニュアル作成ツールの違い
似たような機能を持つツールに、Teachme(ティーチミー)やトースターチーム(ヘルプドッグマニュアル)があります。これらは老舗のマニュアル作成SaaSで、撮影した動画から動画マニュアルを生成する機能を持っています。
MANUSとの違いは、「特定機能のサービス」ではなく「汎用エージェント」であること。マニュアル作成だけでなく、リサーチ・データ整理・スライド作成など別の用途にも使い回せます。1つのツールで複数の業務をカバーしたい中小企業には、MANUSのほうが相性がいいケースが多いです。
僕自身、最初はTeachmeを検討しました。でも月額費用を見て「マニュアル作成のためだけに払い続けるのは重たいな」と感じて、汎用ツールであるMANUSを選んだ経緯があります。
ステップ3:NotebookLMで完成マニュアルを社員教育に転用
ステップ1〜2でマニュアルは完成します。さらに一歩進めて、そのマニュアルを「社員教育の素材」に転用するのがステップ3です。
NotebookLMとは
NotebookLM(ノートブックエルエム)は、Googleが提供する無料の文書理解AIです。PDFやテキストを読み込ませると、その内容に基づいてQ&A対応や要約を自動でやってくれます。
完成したマニュアルをNotebookLMに読み込ませると、新入社員が「このケースのときはどうすればいいですか?」と質問するだけで、マニュアルの該当箇所を引いて答えを返してくれる仕組みになります。
実際の使い方
- NotebookLMにアクセス(Googleアカウントでログイン)
- 完成したマニュアル(PDFまたはGoogle Docs)をアップロード
- 「ノート」を共有設定にして、社員にURLを渡す
- 社員は質問を打ち込むだけで答えが返ってくる
これで「マニュアルを読まない若手」問題が一気に解決します。読まないなら、聞ける環境を作ればいい。
僕のクライアントの中には、整体院(複数店舗経営)でこの仕組みを構築した会社があります。新人スタッフが施術中にわからないことがあったとき、休憩室のタブレットでNotebookLMに質問する。すぐに答えが返ってくるので、先輩スタッフの手を止めなくて済むようになりました。
実際にやってみた結果(自社事例)
3ステップを実際に回した結果を書きます。
Before:マニュアル作成にかかっていた時間
僕が以前、自社のクライアント引き継ぎ用マニュアル(10ページほど)を作ったときの記録です。
- 構成考える:30分
- 本文書く:60分
- スクショ撮る・編集する:60分
- レイアウト整える:30分
- 合計:約3時間
これを「来週やる」と言いながら、半年放置していました。
After:3ステップで作った場合
同じレベルのマニュアル1本を、3ステップで作り直したときの記録です。
- ChatGPTで構成案と本文:10分
- 操作録画:5分
- MANUSでスクショ付き手順書を生成:10分
- NotebookLM登録:5分
- 合計:30分
時間にして6分の1。さらに、できあがったものはNotebookLM経由で「質問に答える教材」として使えるので、紙のマニュアルとしての価値以上のものになっています。
副次的な効果
時間短縮以外で、僕が一番うれしかったのは「マニュアル作成への心理的ハードルが消えた」ことです。
3時間かかると思うと「来週やる」になる。30分で終わるとわかると「今からやる」になる。この差は本当に大きい。マニュアル整備が後回しにならなくなりました。
うまくいかないときの対処法
3ステップを試して、うまくいかない場合のよくあるパターンを書いておきます。
「ChatGPTの本文がペラい」と感じたら
これは構成案の段階で「ターゲット読者」と「含めるべき項目」を曖昧にしたまま進めると起きます。
対処法は、最初のプロンプトに「対象読者の前提知識レベル」を細かく書くこと。「Excelは触ったことがあるが、関数は知らない」のように具体的に書くと、出力の解像度が一気に上がります。
「MANUSの動画認識精度が低い」と感じたら
これは元の動画の品質が原因のことが多いです。画面録画の解像度を1080p以上にする、操作スピードをゆっくりにする、ボタンを押す前に1秒待つ、などの工夫で精度が上がります。
僕がたどり着いたコツは「録画前に手順を口で言いながら録る」こと。「次に右上の歯車アイコンをクリックします」みたいに声を入れながら録画すると、MANUSの解析精度が上がります。
「NotebookLMが期待通りに答えない」と感じたら
これはマニュアル本文の構造が原因です。見出しが整理されていないPDFを読み込ませると、関連箇所を引っ張ってこれない。ステップ1のChatGPT段階で、章立てを明確にしておくと改善します。
こういう会社に向いている/向いていない
最後に向き不向きを正直に書きます。
向いている会社
- マニュアル整備が必要なのに、半年以上着手できていない
- 新人教育の負担が現場リーダーに集中している
- ベテラン社員のノウハウが属人化している
- 業務手順の細かい操作(ソフト・システムの使い方)を伝える必要がある
このパターンに当てはまる会社なら、ステップ1だけでも明日から効果が出ます。
向いていない会社
- マニュアル化したくない暗黙知(接客の温度感など)が業務の中心
- 完全オフラインの業務(紙ベースの手書き作業など)が中心
- セキュリティ要件が厳しく、社外サービスに業務動画を渡せない
この場合、無理にAI導入する必要はないです。社内研修や口頭引き継ぎのほうが向いている業務もあります。
まとめ|マニュアル作成が「来週」から「今日」に変わる
長くなったのでまとめます。
社員マニュアルをAIで作る3ステップ。
- ChatGPTで構成案と本文ドラフトを作る(10分)
- MANUSで操作動画からスクショ付き手順書を自動生成(10分)
- NotebookLMで読み込ませて社員教育に転用(10分)
合計30分。これで、半年放置していたマニュアル整備が「今日やる」に変わります。
多くの解説記事はステップ1(ChatGPT)だけで止まっています。でも、それでは結局スクショ作成で時間が消えます。動画ベースのMANUSと組み合わせて初めて「30分で1冊」が現実になる。
僕がクライアント支援でも一番強調しているのは「最初から完璧を目指さないこと」。まずは1本、社内のいちばん属人化している業務のマニュアルを作ってみてください。1本できれば、2本目以降は同じパターンで量産できます。
「ChatGPTを使えるけど、マニュアル作成までは手が回っていない」という方は、まずはChatGPTは仕事に使えるのか?中小企業の社長が1ヶ月使ってみた結果もあわせて読んでみてください。ChatGPTで何ができて何ができないかが整理できます。
AIを業務全体に組み込んでいきたい方は、AIを”もう一人の経営パートナー”にする方法も参考になります。マニュアル作成だけでなく、AIエージェントを業務に組み込む全体像が見えてきます。
今回の3ステップを試してみたい方は、まずMANUSの無料プランから始めてみてください。動画1〜2本までなら無料で試せます。「動画を渡したら本当にスクショ付きマニュアルが出てくるのか」を、自分の業務で体感するのが一番早いです。

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